いもとようこの世界名作絵本シリーズから今日は「しあわせの王子」を紹介します。

タイトルが、しあわせ… で始まっているのに何故王子は涙を流しているんだろう。
そんな謎めいた表紙から理由を読んでみたくなりました。
街を見下ろせる高い場所にしあわせの王子の像がたっていました。
そこに羽を休めにきたツバメは王子の像が泣いているに気付きます。
何故、泣いているの?
すると王子は…
生きている時は泣いたことは無かった。
しかし銅像になって高い所から街を眺めていると貧しい人、苦しんでいる人が沢山いて悲しい、涙がとまらないんだよ…
王子はツバメに自分の身体に使われている宝石や金を、それらの人々に届けて欲しいと頼みます。
金で覆われていた身体、目にはめられていた宝石がなくなり、段々見窄らしくなっていく王子。
ツバメは王子の気持ちに寄り添い自分の身体が寒さで衰弱していくのも承知で王子の気持ちに応えました。

銅像になって初めて、街の人々の暮らしを知る事が出来た王子。
王子の魂と、ツバメは天国へと旅立ちました。
表紙でみた泣いている王子の優しさがやっと理解できました。
毎日同じ場所で何の変化も無く暮らしていますが、少し位置を変え、俯瞰して世の中の様子を見てみたら、気づくことが沢山あると思います。